そもそも「治る」とは

 

テレビ放映以来、ありがたいことにお問い合わせを多数いただいております。開発者の菅野教授をはじめ多くの方々のおかげで我々歯科医師も歯周病に対する強力な治療器を手にすることができた事はとても喜ばしい事であります。

ただ、実際に問い合わせの内容として多いのが、「1回で治るんですよね?」「他の医院で抜かなければならないと言われていますが、この治療をすれば治るんですか?」といった「治る」という事を確認する内容です。

結論から言いますと、治りません。しかし、殺菌による効果は必ずあります。効果に関しては後述します。

治癒、寛解、完治といった言葉の使い分けの話になってくるのでややこしいですが、分かりやすく言いますと歯周病は「その歯が生えてきた時と同じ状態に戻って治る」という事はありません。繰り返しになりますが、現段階ではどの様な方法を用いたとしても、「治らない」というのが悲しい現実です。

では、なぜ歯周病の治療器として認められたのか?という質問が聞こえてきそうですが、

それは口の中への無関心と実際の口腔内での菌の増加の両側面から歯周病にアプローチし、歯周ポケットの減少に効果があったからなのです。ブルーラジカルだけじゃないんです。ここが見落としがちです。

Luke社も言っています。「ブルーラジカル治療と12週間の口腔ケアがセットで初めて効果が出ます。」
治るのではないのです。効果が出るのです。ここも大事です。

「1回で痛くなくてピッと当てたら元通り」にできる治療器は未だ開発されていません。このような治療器が登場するのは我々の孫の世代でしょうか。21世紀になりましたがドラえもんもまだ登場していませんね。令和の時代においても未だに地道に積み上げていく治療をするしか歯周病に対しての対抗策はないのです。

「治る」という間違った認識に対する警鐘の意味も含めて否定的な内容になりましたが、当院は今年の4月に導入して以来、この治療器は従来にない画期的な治療器であり、効果は非常に高いと感じております。治験の結果通り、歯周ポケットの減少を認め、排膿、出血が止まるということが、当院のような1次診療所の臨床現場でも再現性を持っています。ただ、医療全般に言える事ですが、全ての患者さんに効果があるという事を示すものではありません。